活動報告|女性支援新法全国フォーラム

見えない困難は、特別なものではなかった

〜全国フォーラムから、小児科医として感じたこと〜

今月、「女性支援新法全国フォーラム」にて、
ビデオメッセージという形で発信の機会をいただきました。

正直に言えば、私は「女性支援」を専門としてきた医師ではありません。
警固公園での「まちの保健室」など、地域での取り組みは続けてきましたが、
今回のお話をいただいたとき、
どのような言葉でお伝えするのがよいのか、少し立ち止まりました。

日々向き合っているのは、外来を訪れる子どもたちと、その家族です。
小児科医としての現場が、私の原点です。

それでも、フォーラムで共有された
「困難な問題を抱える女性」の背景に触れたとき、
不思議なことに、強い違和感はありませんでした。

むしろ――
とてもよく知っている風景だと感じたのです。

生活のしんどさや、言葉にならない不安。
それが、子どもの症状や、
保護者の戸惑いとして現れること。

そうした場面は、
小児科の現場で、日常的に出会ってきたものでした。

今振り返ると、
その理由ははっきりしています。

これまで指導してくださった先輩方が、
「急いで結論を出さなくてもいい」
「まずは、その人の背景を見ることが大切だ」
と、繰り返し教えてくれていたからです。

医療を、もう少し身近なものにすること。
人を単純に分けすぎず、背景に立ち止まること。
「支援の対象かどうか」ではなく、
目の前で、今、困っているかどうかを大切にすること。

当時は言葉にできなかったその姿勢が、
今回のフォーラムを通して、
あらためて自分の中でつながったように感じています。

女性支援と呼ばれているものは、
新しく何かを始めることではなく、
先輩たちから受け継いできた診療の姿勢を、
言葉にし直すことだったのかもしれません。

これからも、小児科という立場から、
子どもと家族、
そしてその背景にある人生に、
静かに目を向け続けていきたいと思います。