手足口病
手足口病とは
手足口病は、ウイルスによって引き起こされる感染症で、乳幼児を中心に夏に流行することが多い病気です。その名のとおり、手や足、口の中に水ぶくれのような発疹ができるのが特徴です。ほとんどの場合、1週間ほどで自然に回復しますが、まれに合併症を引き起こすことがあるため注意が大切です。
手足口病の原因
主な原因は「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルスで、特にコクサッキーウイルスやエンテロウイルス71型がよく関係します。感染経路は、咳やくしゃみによる「飛沫感染」、ウイルスがついた手や物を介した「接触感染」、そして便を通じた「糞口感染(ふんこうかんせん)」です。保育園や幼稚園のように子どもたちが集まる場所では、流行しやすい傾向があります。
手足口病の症状
感染してから2~7日ほどたつと、手のひら・足の裏・口の中に水ぶくれのような発疹が出てきます。熱が出ることもありますが、高熱になることは少なく、37~38℃くらいの微熱でおさまることが多いです。口の中の発疹ができると、しみたり痛んだりして、食欲が落ちてしまうことがあります。ほとんどの場合は数日で自然に回復しますが、まれに髄膜炎や脳炎を引き起こすことがあります。発熱が長く続いたり、ぐったりして元気がないときは、早めに医療機関を受診してください。
手足口病の治療方法
手足口病には特効薬がないため、症状に応じたケア(対症療法)が中心となります。発熱や痛みがあるときには解熱剤を使用して、つらさを和らげます。
また、口の痛みが強い場合は、冷たいゼリーやプリンなど、刺激の少ない食べものを与えるとよいでしょう。脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給が大切です。麦茶やスープ、経口補水液など、飲みやすいものを少しずつあげてください。
手洗いや消毒をしっかり行い、感染の広がりを防ぐことも重要です。発疹が治っても、しばらくの間は便の中にウイルスが残っていることがあるため、トイレの後の手洗いは特に気をつけましょう。