夜尿症
夜尿症とは
夜尿症(やにょうしょう)とは、5歳を過ぎても1か月に1回以上のおねしょが、3か月以上続いている状態をいいます。小さなお子さんのおねしょはよくあることで、ほとんどは成長とともに自然におさまっていきますが、小学校に入っても続く場合は治療の対象になることがあります。
夜尿症の原因
夜尿症には、いくつかの原因が関係しています。ひとつだけではなく、いくつかが組み合わさっていることもあります。
- 膀胱(ぼうこう)の発達が未熟:尿をためる力がまだ十分ではない
- 抗利尿ホルモンの分泌が少ない:夜に尿を作る量を減らすホルモンが十分に分泌されない
- 睡眠が深くて尿意に気づきにくい:おしっこがしたくても目が覚めにくい
夜尿症の症状
- 月1回以上のおねしょが続く
- 5歳以上になっても改善しない
- おしっこの量が多く、布団まで濡れることがある
- 昼間はふつうにトイレに行けている
夜尿症があると、自信をなくしたり、修学旅行やお泊まりに不安を感じたりお子さんもいます。
夜尿症の治療方法
夜尿症は、成長とともに自然に治ることが多いですが、生活の工夫や治療を取り入れることで改善を早めることができます。
生活習慣の改善
- 寝る前の水分を控える(特にカフェインを含む飲み物は避けましょう)
- 毎晩、寝る前にはトイレに行く習慣をつける
- 便秘の改善も大切(便がたまっていると膀胱が圧迫されます)
- 冷え対策をする(冬場は布団やパジャマであたたかく)
専門的な治療
- 薬の治療:尿の量を減らす薬(デスモプレシン)や膀胱の働きを整える薬
- アラーム療法:おねしょをするとアラームが鳴り、排尿を自覚させる方法
見守る気持ちがいちばん大切です
夜尿症は決してめずらしいことではなく、多くのお子さんが経験することです。
責めたり焦ったりせず、ご家族が温かく見守ってあげることがいちばんの支えになります。
ご心配なときは、どうぞお気軽に小児科にご相談ください。