アレルギー性鼻炎・花粉症
アレルギー性鼻炎・花粉症とは
アレルギー性鼻炎とは、ハウスダストやダニ、花粉などのアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に反応して、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が現れる病気です。
特に春や秋に多い花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が原因で起こる季節性のアレルギー性鼻炎です。
一方、通年性アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリ、ペットの毛などが原因となり、1年を通して症状が続きます。
アレルギー性鼻炎・花粉症の原因
アレルギー性鼻炎の主な原因は、次のようなものがあります。
- 花粉(スギ、ヒノキ、イネ科など)
- ハウスダスト(ホコリ、ダニ、カビ)
- ペットの毛やフケ
- その他のアレルゲン(黄砂や大気汚染物質、香料、たばこの煙などが影響することもあります)
アレルギー体質のお子さんは、家族にアレルギーを持つ方がいる場合に発症しやすい傾向があります。また、幼い頃からアレルゲンに長期間さらされることで、症状が悪化することもあります。
アレルギー性鼻炎・花粉症の症状
主な症状は以下の通りです。
- くしゃみが続く
- 透明な鼻水が止まらない(風邪と違い粘り気が少ない)
- 鼻づまりで口呼吸になる(寝ている間にいびきをかくことも)
- 目のかゆみや充血(特に花粉症でよく見られる)
- のどのかゆみや咳(鼻水がのどに流れ込む「後鼻漏」のため)
鼻づまりがひどいと、集中力の低下や睡眠不足につながることもあります。
特に成長期の子どもでは、十分に眠れないことで体調を崩しやすくなるため、早めの対応が大切です。
アレルギー性鼻炎・花粉症の治療方法
治療の基本は、アレルゲンをできるだけ避けることと、症状をやわらげる薬での治療です。
①環境を整える(アレルゲン対策)
- こまめに掃除をする(ダニ・ハウスダストを減らす)
- 空気清浄機を使う(花粉やホコリを除去)
- 洗濯物や布団を干すときは花粉対策をする(カバーを使う、外干しを避ける)
- ペットとの接触を減らす(特に寝室には入れない)
②薬による治療(医師の診察が必要)
- 抗ヒスタミン薬(くしゃみや鼻水を抑える)
- ステロイド点鼻薬(鼻づまりを改善する)
- ロイコトリエン受容体拮抗薬(長引く炎症を抑える)
お子さんの年齢や症状に応じて、適切な薬が処方されます。
③舌下免疫療法(根本的な体質改善)
スギ花粉やダニアレルギーに対しては、舌下免疫療法(アレルゲンを少しずつ体に慣らす治療)を選べることもあります。
- 基本的に5歳以上からの治療が可能です。
- 3年以上続ける必要があります。
この治療法については、医師とよく相談して決めましょう。
子どものアレルギー性鼻炎・花粉症の予防方法
- 帰宅後は衣服を着替え、顔や手を洗う
- バランスの良い食事や適度な運動で免疫力を高める
- 鼻うがいやマスクで花粉をブロックする
アレルギー性鼻炎や花粉症は、完全に治すことはむずかしい病気ですが、適切な治療や予防、舌下免疫療法などの体質改善の治療を行うことで、症状を大きく軽減し、お子さんが快適に過ごせるようになります。
早めに医師に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。